(※更新日 2021/01/16)
社労士試験の【選択式】は廃止してほしい。
そう思うほどに、社労士受験生を苦しめます。
私も1年間社労士試験に向けて勉強しましたが、選択式のことを思うと心休まる日はありませんでした。
どれだけやっても、読み込んでいない箇所が出たらどうしようと不安で寝れない日もあったのを覚えています。
とはいえ、選択式を乗り越えるしか社労士への道はありません。
私が社労士試験の勉強中にやった選択式対策や勉強法を紹介していきます。
Contents
社労士試験選択式の内容
まずは、社労士試験の選択式を具体的に把握しておきましょう。

社労士試験の選択式科目
社労士試験の勉強を始めている人なら、把握している人も多いと思うので簡単に紹介します。
選択式科目 | 点数 |
労働基準法 労働者安全衛生法 |
3点(労基) 2点(労安)計5点 |
労働者災害補償保険法* | 5点 |
雇用保険法* | 5点 |
労働一般常識 | 5点 |
社会保険一般常識 | 5点 |
健康保険法 | 5点 |
厚生年金保険法 | 5点 |
国民年金法 | 5点 |
計8科目 | 計40点 |
*:徴収法の問題も含まれることがある
計8科目からなる40点満点で採点されるのが選択式試験です。
徴収法はテキストも薄く、私も講師に簡単に勉強しておけばいいと言われた記憶があります。
しかし、どんな些細な手抜きも社労士試験の選択式においてはしてはいけないので終盤までには抑えておきましょう。
社労士選択式の試験時間の使い方
各5問×8科目で計40問なので、問題数でいえばそこまで多くはないのが選択式です。
ですが、社労士試験の選択式は1問ごとの重みが違うので80分でも短く感じるでしょう。
というか、普段の問題集なら自信もって選べるものも本番の選択式は自分の培った実力を疑うほど神経を使います。
選択式の緊張感ばかりは、体験しないと得られないので本番だと思って模擬試験に参加して慣れて下さい。
- 試験本番は80分目一杯使う
- まず全体の文章を把握
- 選択肢を絞る
- 全科目終了後もう一度解く
- 全科目終了後もう一度読む
まず、言いたいことは選択式は絶対80分使い切ってください。
社労士受験生の中には、早く終わったアピールで終了前に退出する人がいますが私からしたら愚の骨頂です。
何百時間以上も社労士試験に費やして『80分も座ってられないのか?』と軽い驚きでした。
まず読んで一呼吸して、選択式で何が問われているか全体像を知る事で冷静になれます。
『テキストのあそこが問われているな』と頭の中で映像化できるんです。
しつこいですが、社労士試験の選択式の空気感はすごいもので心臓のドキドキが止まりません。
一度全体をゆっくり読むことで冷静さを取り戻せるので、焦らずいつもの平常心を取り戻しましょう。
冷静になれたら選択肢を見ていきます。
当たり前のことですが、20の選択肢から解答を選びますが問題数の5問で割ると選択肢は4つとなります。
つまり、1問につき4択から正解を選ぶということです。
1~5、A~Eのように選択肢の横にマークしていくと更に落ち着けるのでやってみましょう。
あとは解いては読み直して違和感がないかを時間が許す限り繰り返します。
社労士試験選択式の出題タイプ
選択式は社労士試験合格への運命を大きく左右します。
前述ですでに、条文ばかりから選択式の出題がされるわけではありません。
選択式に大きく分けて3つのタイプがあります。

選択式タイプ①条文
選択式の中でも、条文タイプは最も楽に解答できます。
選択式の大半は条文タイプから出題されます。
社労士試験の年度によりますが、選択式の7割は条文タイプからの出題が硬いです。
定期的に、細かなことは無視して条文だけを読み込む日を作るのもおすすめです。
選択式タイプ②通達&判例
厄介なのが①以外の選択式タイプです。
通達や判例はあくまでも社労士になってから重要になる情報なのですが、試験でも求められます。
どうしてもテキストで対策できない分野になるので、社労士試験まで近づいてから対策するしかありません。
社労士として働くならこのレベルは知っていてほしいというケースが問われます。
試験日まで1か月を切ったら時間が許す限り、重要度の高い順に読み込んでいきましょう。
選択式タイプ③統計&厚生労働白書
統計&白書タイプも②同様に厄介で社労士試験勉強中の対策のしようがありません。
そしてとくに、労働&社会保険の一般常識という全ての社労士受験生が嫌う科目でよく問われます。
選択式の統計&厚生労働白書タイプのせいで、いくら勉強時間を増やしてもやり切った感が得られません。
事前の対策がほぼ出来ないので、社労士試験が近づくにつれ蓄えた知識が一層不安を煽るのです。
とにかく試験まじかの厚生労働白書を読み込むしか策はないので、それまでは忘れておきましょう。
ちなみに、効率よく社労士試験を勉強したいならおすすめの本があります。
社労士試験の合格者なら『そうそう』と思える勉強法が分かります。
社労士試験の注意すべき選択式科目
社労士試験の選択式において、どの科目も気を抜けませんが経験者として特にというものを挙げていきます。
おそらく社労士試験の経験者の全ての人が『うんうん』とうなずく科目です。
- 労基&労安
- 労働一般常識
- 社会保険一般常識
この3科目の選択式対策をするかしないかで合格への距離が大きく変わります。
とはいえ、前半から意識する必要はありませんので理由も含めてみていきましょう。

案外鬼門の選択式【労基法&労安】
経験者としては、どの科目も難関と言わざる得ませんが特に苦手意識もちがちな科目があります。
労基&労安の選択式
労基法は社労士試験の入り口でもあるので思いれや学習時間も自然と多くなります。
比較的、選択式でも安定して点数を取れる科目です。
私も、労基法の選択式は得意だったので3点は必ず狙えると思っていた結果。
労働三権という盲点を突かれ、並び順に悩んだ結果ずれてしまい1点しか取れず。
となれば、労安法で失敗は許されません。
社労士試験の中でも、労安法はなかなかモチベーションが上がらない科目なので学習時間も少なくなります。
しかし、労基法に自信があっても1点しか取れないような結果も十分あるので労安法を無視できません。
だからと言って、長い社労士試験の戦いで前半から労安法をあまり意識しなくても大丈夫です。
1年間社労士テキストを何周もしましたが、本当に労安法だけは覚えて忘れての繰り返しでした。
労安法は社労士試験3か月前くらいから地道に用語を覚えるようにしましょう。
とりあえず前半戦は、択一式対策として問題を解きつつ労安法の全体像を忘れないようにしておきましょう。
ちなみに私が受けた年の労働基準法は、社労士受験生にとって盲点すぎて間違えた人が続出。
さらにちなみに、私はしっかり労安法で無事2点とったので足切りの心配はなく3点でした。
みんな嫌いな選択式【一般常識】
得意な人は絶対にいない科目があります。
労働&社会保険一般常識の選択式
もっと具体的にしてくれと言いたくなるのが、労働&社会保険の一般常識の選択式です。
社労士試験において選択式は乗り越えなければならない試練ですが、その中でも一般常識は鬼門です。
範囲は広いのですが、浅いのが難点なんです。
試験において、浅い=重要ではないので時間をかけなくて済むと喜ぶべきことなんですが社労士においては違います。
範囲が浅い深いなんて社労士試験に関係ないので労働&社会保険の一般常識も手を抜けません。
- 厚生労働白書を読む
- 細かな数字まで覚えない
- 情報統計の傾向を知る
- 一般常識の学習は後回し
社労士試験の選択式は、なにも条文の穴埋めだけではありません。
労働や社会保険に関する【統計情報】【直近の法改正】を問われることが多々あります。
とくに統計情報は労働&社会保険一般常識の選択式で問われることが多いので、厚生労働白書の読み込みは非常に大事です。
例えば
2040(令和22)年段階で必要となる医療福祉分野の就業者数については、需要面から
見ると1,070万人(就業者総数の18~20%)程度と見込まれているが、供給面も勘案し
た推計では経済成長と労働参加が適切に進むケースでも974万人(同16%)とされてお
り、このままでは担い手不足のために必要なサービスを提供できないおそれがある。医
療・福祉サービス改革により単位時間サービス提供量*7を5%(医師は7%)改善したり、
男女ともに健康寿命を3年以上延ばすことにより、より少ない就業者数で対応が可能との
推計もあり、取組みを進めていく必要がある。引用:令和2年厚生労働白書より
選択式で抜かれそうな場所を色で変えてみました。
もちろん選択式対策で厚生労働白書から出題される可能性は十分あるので、どのくらいの数字か覚える必要があります。
例えば、『1000万人程度かぁ』『5%程度かぁ』といった感覚で大丈夫です。
その他にも『上昇&下降』『増加&減少』したのかを把握していきましょう。
社労士試験の選択式という方式じたい意地悪ですが、さすがに数字を【974万人】【975万人】のように刻んではきません。
こんな細かなことに時間を費やすなら他の社労士科目を学習しましょう。
そしてこれらの情報は、社労士試験まで3か月を切ったくらいの情報が最新になります。
一般常識はそのくらいから選択式も意識した勉強をすれば大丈夫です。
資格予備校でも、1か月前くらいに集中的に厚生労働白書のポイントを学習します。
労働&社会保険の一般常識も労安法同様に、前半戦では過去問を解ける程度にしておけば十分です。
ちなみに、私がもう一度社労士試験を受けるならどこの資格予備校を選ぶか調べて記事でまとめています。
